才能は磨かないと現れない

数年前よりも、体験レッスンに来るお子様の年齢が低年齢化していると感じます。

今は、お母様が働くというのが、世の中の常識になっていて、
皆さん忙しく、効率的に全て動いていく感じがします。

しかし、子育てと言うのは、大人が思ってるように効率的に進むものではありません。
かといって、できるだけ大変な思いをしたくないと言うのは私もわかります。

 勉強にしろ、スポーツにしろ、音楽にしろ、子供がどういう才能を持っているかは
ある程度時間をかけて磨いてみないとわからないことなのです。
少々の投資も必要です。
羽生結弦さんや大谷翔平さんのご両親だって、幼児の時から、絶対にプロのスポーツ選手になる!と確信を持って育てていたわけでは無いのです。本人の頑張りを精一杯助けてきたわけです。


もちろん到達目標(プロ野球選手を目指す、プロのピアニストを目指す)によっても日ごろの過ごし方というのは
変わってきますが、
世の中あまりにも効率化効率化といい過ぎて
子供の成長を中心に考えることが難しくなっているような気がします。

〇〇を習うと、知能が必ずアップする!などと断言できるお習い事は、世の中に存在しないと思います。
最終的に、子供自身がやってみたいと望むこと。
これが1番子供の能力を伸ばす方法です。

しかしながら、小さい頃は、子供自身も自分が何を本当にやりたいのかがよくわかっていない。
ですから、ご両親がお子さんをよく観察して、ちょうど良いレベルの学習をやらせるべきだと思います。
本人にとって難しすぎることも、簡単すぎることも、よくありません。

先日、モンテッソーリ教育家の菅原陵子さんと言う方のセミナーを受けましたが、
どんな習い事でも、最低3年ぐらいやってみないと、才能があるかどうかわからない、と言う話でした。
私も全くそう思います。

 たとえ才能があったとしても、子供は自分から一生懸命練習するとは限りません。
勉強や学習のようなものは誰でもめんどくさいものです。
練習が習慣化するまでは、要するに、草花ならお水をあげたり、栄養を与えたり、風をよけてあげたり、
できるだけ成長しやすい環境を与えてあげると言う事。
それが親の役割だと思うのです。それは子供にはできないのです。
それをやらないのに、3年もたたないうちにうちの子は才能がない、と決めつけてしまうのはもったいないことです。

もちろん、小学校に入ると一斉授業で勉強が進んでいきますから、
学校の授業がそこそこ理解できるように
年長さん位になったら、その準備を少しずつ進める事は大事だと思います。
ほったらかしは良くないと思います。
しかし、やたらといろいろな習い事をたくさんやらせたからといって
知能がアップするわけではないと思います。
これは、長い間にいろんな生徒さんと関わってきた私の長年の感覚です。

しかし、近年は、共働きのご家庭も増え、帰ってくると、家事に追われてしまい、子供の面倒を見ている場合ではない、という気持ちもよくわかります。
その場合は、土曜日、日曜日など、できる時だけでも、お子さんの様子を少し見ていただけるとピアノ教室としてはありがたいです。
もしそれも難しい場合は、ピアノが急激に上達するという事は難しいかもしれないけれども、
楽しんで長く続けてもらいたい、という気持ちでピアノ教室にお任せするのはありだと思います。
もしかして、思春期以降であれば、お子様が自ら練習するようになるかもしれません。

 何事もお子さんのの個性にもよると思うので、どうしてもたくさんを習い事をやらせたい場合は、
まずはAという習い事の習得にチャレンジしてみて、定着したら、Bの習い事にチャレンジする、というふうに
お子様の様子を見て、少しずつ増やすのはいかがでしょうか。
いっぺんにいろいろ始めても、頭の中がカオスになってしまってお金が飛んでいくだけです。